北方謙三『ふたたびの、荒野』

シリーズ完結作品。ある者は死への道を歩きはじめ、またある者は死者を心の中に生かしながら、己の生を行き続ける。何を失ったのか……それはここで語られる人それぞれによって違う。その失ったものを取り戻そうと足掻くのが男なのではない、失ったものをしっかり己で受けとめ次の1歩を歩みはじめるのが大切なのだって言うよりもそうするしかなかったのかもしれない。これから位後この店はどうなって行くのか……彼らはどう生きて行くのか思い描く面白さ。心の中に確かに存在するN市