北方謙三『聖域』

教師という生き方。最初は職業的義務感で動いているのだろうと思った。一つのキッカケでその時の自分を突き動かした思いから、それだけでは無かった事を悟る。そして、その気持ちの中に自分の熱さを見つける。そのものには結局名前は無い。ただ熱さと己を突き動かす衝動めいたものがあるだけ。それに動かされて男は男として動く。自問しても「何となく」と言う言葉があるだけ、「何となく」の大切さ、輝き。いくつになっても、ある部分にはしっかりと子供の部分を残しておく男達、そんな彼らに惹きつけられる。あと1冊、いよいよあと1冊。