北方謙三『鳥影』

男の子が男になる時っていつなんだろうか……ある瞬間だけ男で居ることはそれ程難しい事ではないのかもしれない、大切なのは男でありつづけると言う事。とても大変な事だと思う。失うものも沢山ある。ふと気を抜くと楽な方へ流れかねない。そんな中でも己を持ちつづけるカッコよさ、憧れてしまい、こんな男達の中に居られるような男でありたい、そうなりたいと俺は思う。鳥に思いを寄せ、飛んでみたいと想う。一つの命を背中にしっかりと預かり道無き道を超えていく。失ったものを改めて見つめ返す。涙を流せる勇気がある。押さえきれない怒りを知っている。一つ一つの場面が胸に迫る。もう少しでシリーズが完結してしまうのが、惜しい。