北方謙三『残照』

残照 (角川文庫―ブラディ・ドール)

残照 (角川文庫―ブラディ・ドール)

読み進めるうちにドンドンと惹かれている自分がいる。書き込まれる男の姿に憧れを抱く。俺と数年しか違わない奴、数十年違う奴らも、俺の前をカッコいい、生きている命に俺の命が惹かれていくのがわかる。肉体を失う男達、失う事によって生きる事を確認しているのだろうか。他に生を確認する方法は無いのだろうか……でもそうも思いきれないのも本当の所。そう言う事は言うものでもなければ言葉にしきれるものでもないのかもしれない。俺が感じたことが全て。互いが互いを理解し己を精一杯こなし相手の為に生きる……上手い言葉に出来ないが、ただ面白い。