赤江瀑『花酔い』

花酔い (角川文庫)

花酔い (角川文庫)

あまりにも、「らしい」話、妖しさオドロオドロしさ内面の漆黒、それを京都弁の会話を中心にしてストーリィを転回していく。死体の身元を思い出すシーンはミステリィであり、京都特有の仕事である配膳さんや書のシーンは一つの雅を感じさせる。そして、ラストシーンに控えている様にやってくる告白、最初のそしてタイトルの花が生きてくる瞬間。血縁のわだかまり、親しい関係の中にこそ潜むギクシャク。これこそ! これこそ!