『半分の月がのぼる空』4

どこにでもある話。
だけど、僕達の話は僕達だけの話なんだよね。
友達の事だよって言いながら、自分の事を語ることもある。
自分の事だよって言いながら、やっぱり自分の事を語ることもある。
何も語らずに、ただ黙っていることだってできる。

空を見上げ、解らない憧れを抱く。
解っている。
解ってはいる。
解ってしかいない。


僕の両手は、何のためにあるんだろう?
僕は何をしたいのだろう?
言わないでいることもできる。
形にしないこともできる。
自分が表現したものが、周りを傷つける可能性はなくならない。


僕の方が早いのか?
君の方が早いのか?
同時ってことは絶対にない。
耐える。
耐えられる??
想像してみる。


永遠ではない、有限の時間を、
一瞬の積み重ねで出来上がる、想像の永遠を
笑顔に。
無理して創ったものも、いつか自分のものになるはずだから。
笑顔へ。