高田崇文『QED 式の密室』

QED 式の密室 (講談社文庫)

QED 式の密室 (講談社文庫)

よいなぁ〜このシリーズ。歴史ミステリって言葉を名前だけはしっていたけど、これがその歴史ミステリの最たるものなんだろうな。歴史ではない事件が起こると同時に歴史上の謎も提示される、それらが密接に関わり合って、どちらかだけの謎に解が示されることはなく、互いが互いの謎を補い合い、一瞬にして両方の謎が自分の中にとらえるような感覚。
何よりもいかにいままで自分が無自覚だったかと思い知らされる。謎って答えを提示されれば納得できる。その解はとっても好きだけど、ここに謎があるってことをおざなりにすることなく、正面切って向かい合って考え続けていることを見習いたい。気づかなければ謎があることすら解らないのだから。謎を発見することが最初の問題なんだろうね。