京極夏彦『狂骨の夢』

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

生きていることを認識することも、死んでいることを認識することもすべて生きているからこそできます。自分が見ているように世界は見えているし、それは見たいから見ているに他なりません。でも時々それが常軌を逸してしまったり、法律に背いてしまったり、はたまた自分が望んでいるはずなのに、それが自分自身を乱すこともあります。そんなときにあるべき姿を思い起こさせてくれるのが京極道なのでしょうか? まるで何かに取り憑かれたかのように自分が自分ではないじょうたい。幸せの形はいろいろとありますし、取り憑かれている方が幸せに見える人もまたいます。解決したことによって解決してないこともあれば、解決していないことがあるべき姿になることもあります。
すべては決めたものが決めたように行われるのでしょう。見ているものが同じでも経験をふまえ物の見方を知ると世界が違うものと感じられるのかもしれません。