上遠野浩平『ビートのディシプリン』Side1

ビートのディシプリン〈SIDE1〉 (電撃文庫)

ビートのディシプリン〈SIDE1〉 (電撃文庫)

ハッキリ決める必要はあるのでしょうか? 決めないことを決めることもまた1つの決断です。自分が決めたことは自分が従います。ですが、昨日の自分が今日の自分だとは限りません。確実に日々成長し、考え方も変化していきます。永遠に変化のない決断がないことは半端なのかもしれませんが。日々変化していく方向が自分の望むべく方向ならそれはまた幸せなことのように感じます。運命とは厳しいのでしょうか? そもそも運命とはなんなのでしょうか? 自分が選んだことすら自分で本当に選んだことなのでしょうか? 誰かに刷り込まれたことではないのでしょうか? 多数派を斜めから眺めてその粗を見つけることも楽しいです。自分で自分の考えを形にできる時間をもつのは楽しいです。何よりも、自分が進む先を決めることはとても楽しいんですよね。
このシリーズを最初に読んだとき、初めてみる新しい見せ方に世界へ持って行かれました。誰もがそれぞれの物語を持っていて、それぞれに終わりと始まりが可憐につながっていて。それらが折り集まった所に世界の物語ができる。矛盾と矛盾の間に生まれてくるものは必ずあります。当たり前のものなのかもしれませんが。これを見せられるのは巧さなのでしょうか?