氷室冴子『銀の海金の大地』(2)

こうしてストーリィは少しずつはじまって行く……。プロローグ。キャラクタもまだ出揃わず、人間関係も未だハッキリとつかませない中、感じさせる材料は多く、そして美しい。日本の中に眠る、全く記録の無い暗黒時代。どれだけ昔まで遡ろうと、人は今と大きくは変わらない。見えない物が見える、見たものをそのまま受け入れる。どちらも大切な勇気。