安井健太郎『ラグナロク』(1)黒き獣

ラグナロク―黒き獣 (角川スニーカー文庫)

ラグナロク―黒き獣 (角川スニーカー文庫)

俺にとっては「黒鉄」でお馴染みの喋る剣。これをファンタジィでやるとどうなるのか? 率先して自分では動けない存在だけに、一人称小説が三人称小説の様な味がある。客観的で達観していて、おかげで様々な事が見えてくる。戦闘シーンも武器の視点を通して見るとまた面白い。良く観ている。一つ一つの描写が非常に緻密で詳しく情景が見える様である。もちろん、キャラクタの造形や世界の空間的かつ歴史的な広がりはファンタジィとしても一級品だろう。友人に勧められて、借りて読みはじめたシリーズ。買っても読みたいシリーズかもしれない。