三島由紀夫『金閣寺』

金閣寺 (新潮文庫)

金閣寺 (新潮文庫)

日本語で書き表す業。作品のモチーフからかテーマからか、艶っぽさ、危うさを感じさせる文章の美。作品そのものも「美」をテーマに進んでいく。移りゆく美、その場に留まる美。受け止める美、突き放す美。創り出す美、打ち壊す美。美を受け止めるのは人、人の中にある人を通した美。永久不変の美なんてないのだろうか? 心中しても良いと思う美とは……そこにある世界、在り方すら変える。