森博嗣『数奇にして模型』

数奇にして模型 (講談社ノベルス)

数奇にして模型 (講談社ノベルス)

この作者の小説に詩を読み思考を読む。最後の一文を読んだ後に襲ってくる言いようも無い「さわさわ」と、その瞬間を見つめる自分。それだけの為に読みたい文章があり、そんな事を考えさせる自分にとって貴い小説がある。一人とは何? 一つの小説とは? 0と1の違いは? 俺は何処から何処までが俺なの? 確かにこれらもこの小説のテーマの一つだろうし、事件の犯人を探すのも一つの楽しさなのかもしれないが。